3-2. 腸内フローラの乱れが肥満体質の原因になる

腸と腸内細菌

主にバクテロイデスというグループに属する数種類の菌が、私たちを肥満から守る働きをしています。

肥満は、脂肪細胞が脂肪を蓄えて肥大化することで起きます。
もともとエネルギー源を蓄えておくことが役目の脂肪細胞は、放っておくと血液中の栄養分をどんどん取り込み続けて肥大化します。
この脂肪細胞の暴走にブレーキをかけるのが、短鎖脂肪酸です。

脂肪細胞には短鎖脂肪酸を感知する受容体があり、短鎖脂肪酸を感知すると脂肪細胞は栄養分を取り込むをやめ暴走が止まる仕組みです。
つまり短鎖脂肪酸が、脂肪が過剰にたまるのを防いでいます。
また、交感神経にも短鎖脂肪酸の受容体があり、短鎖脂肪酸を感知すると全身の代謝を活性化します。
具体的には、心拍数の増加や体温の上昇などを起こし、あまった栄養分を燃やして消費させる方向に働きます。

すなわち短鎖脂肪酸は、脂肪の蓄積を抑え、消費を増やすという両面から、肥満を防ぐ働きをしています。

ところが肥満の人の腸内では、バクテロイデスなどの菌の数が減り、短鎖脂肪酸を作る能力が下がっています。
そのため、食事をしても肥満のブレーキとなる短鎖脂肪酸が十分に作られず、栄養分だけが血液中を回るため、脂肪細胞がどんどん肥大化します。
これが、〝肥満フローラ”のメカニズムです。
すなわち、肥満する人は、肥満にブレーキをかける短鎖脂肪酸が少ないのです。

お酢を飲めば痩せられる?

短鎖脂肪酸は、炭素数6以下の脂肪酸で、ヒトの場合は主に酢酸、酪酸およびプロピオン酸の3種類です。
このうち、脂肪細胞の暴走にブレーキをかけ、全身の代謝を活性化するのは酢酸です。
酢酸は「お酢」なので、お酢を飲めば痩せられるのでしょうか?
お酢を飲んだ場合、血液中に入るとすぐに分解されるので効果は一時的です。
一方、腸内細菌は腸の中に食べものがある間、ずっと短鎖脂肪酸を産生し続けますます。
そのため、血中の酢酸濃度が一定期間維持され効果が長続きします。

なお、お酢を四六時中飲み続けると、酸蝕歯といって歯がボロボロになりますので、お止めください。

肥満フローラを痩せフローラに変える方法

乳酸菌発酵エキスを摂取すれば、乳酸菌発酵エキスが短鎖脂肪酸も含んでいますので、直接「肥満フローラを痩せフローラに変えること」ができます。
また、バクテロイデスなどの短鎖脂肪酸を作る善玉菌は、プレバイオティクスを摂取すれば増やすことができます。
これは、食事にたくさんの食物繊維を加える実験により確認されています。

食べる量を減らすだけのダイエット法は…?

肥満の原因と言えば、食べすぎと運動不足が二大原因。
そこに第3の原因として腸内細菌が加わりました。

数あるダイエット法のなかには、総カロリーばかりが重視されて食事の「バランス」が軽視されているケースがあるように思えます。
腸内フローラという別の視点から見ると、単に食べる量を減らすだけではなく、偏った食生活を止めることが、肥満解消の一番の近道だと実感します。

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