3-5. 腸内細菌にはガンを防ぐ菌と引き起こす菌のどちらもいる?

腸と腸内細菌

腸内細菌が作るエクオールにはガンの予防も期待される

腸内細菌が肥満、糖尿病、肌のシワだけでなく、ガンまでも防ぐ!
日本で前立腺がんと診断される人が急増していますが、世界に目を向けてみるとアメリカの前立腺がんの発症率は日本の10倍。
ヨーロッパ各国も、日本の数倍の発生率があり、大きな開きがあります。

なぜこうした差が生まれるのか?

原因のひとつは、大豆の摂取量の違いだと考えられています。
大豆イソフラボンについては、前立腺がんを引き起こす男性ホルモンの作用を阻害するなどして、がんを予防する効果が報告されています。

ところが、ハワイの日系人を調査したところ、大豆の摂取量は日本人とほとんど変わらないにも関わらず、前立腺がんの発症率が増え、欧米と日本の中間になっています。

遺伝的にも同じで、大豆の摂取量も変わらないとすると、いったい何が違うのか?
ハワイの日系人ではエクオールを作る腸内細菌を持つ人が減ったことが原因ではないかと考えられています。

腸内細菌が作るスーパーイソフラボン「エクオール」は、通常の大豆イソフラボンよりも高い健康効果があり、これは前立腺がんでも期待されています。
すなわち、エクオールを作れない人は前立腺がんになりやすい傾向にあります。

さらに、腸内細菌が作るエクオールには、男性の前立腺がんだけでなく、女性の乳がんの予防効果も期待できます。

エクオールを生産する菌は何種類か発見されていますが、NATTS菌はそのなかでもエクオールを生産する効率が非常に高いことが判りました。

NATTS菌が腸内にいれば、男性は前立腺がん予防、女性はお肌の若返りと乳がん予防という、夢のような話が実現するかもしれません。

しかしながら現実は、経口摂取したNATTS菌は先住民である善玉菌に阻害されるので、腸内に棲みつくことはできません。

「がんを引き起こす腸内細菌」が見つかった!

東京の有明にある、がん研究会研究所の原英二さんは、肥満とがんの関係について研究していました。
一般にはあまり知られていませんが、肥満になるとガンの発症リスクが上がります。

原さんの調査によると、肥満したマウスにおいて、肥満する前にはほとんどいなかったある種の腸内細菌が全体の10%以上を占めるまでに増加していました。
この菌を遺伝子解析したところ、新種であることが判りました。
この新種の菌を、アリアケ菌と名づけました。
この菌が、がんを誘発するのです。

アリアケ菌は、腸に分泌される消化液の一つである胆汁を分解して、DCAという物質を作ります。
DCAは、腸から吸収されて全身を巡り、私たちの身体の細胞に作用して、「細胞老化」を引き起こします。

細胞老化は、古くなった細胞の増殖を止める現象で、健康な人の体内でも起こっています。
しかし、DCAの作用で老化した細胞が増えすぎると、周囲にがんを誘発する物質をまき散らし、がんを発生させます。

これまで謎だった、肥満とがんをつなぐメカニズムが明らかになったことで、予防のための対策を立てることができます。

肥満するとアリアケ菌が増えるのは、食生活に問題があると考えられます。
がんにならないためにも食生活に気を付けるべきということです。

しかし我々は、もっと効果的な予防法を知っているわけです。
そうです。
乳酸菌発酵エキスを摂取することにより、腸内環境を整えれば悪玉菌であるアリアケ菌の増殖を抑えてがんを予防できます。

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